傷つかない、汚れない。硬度と耐汚性の化学的な指標でみる素材別キッチン天板の選び方【完全保存版】

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何十年も使うものなのに、テンションの下がる傷ついた天板のキッチンなんて絶対嫌ですよね?

オーダーキッチンで自邸を設計した建築士の筆者が、よく比較でAよりBの方が優れている。と表現される主観的な意見ではなく、

各天板素材の公表されている科学的な物性値で比較することで客観的に評価していきたいと思います。

この記事では、

傷がつきにくいキッチン天板って結局どれなの?
素材比較の主観的な評価は信用できない。そもそもどれくらい優れているか程度がわからない
オープンキッチンなので美観を永く保ちたい

といった疑問に客観的な指標で比較、お答えします。

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【結論】クオーツと、セラミック素材が日常使いでは最強

クオーツ・セラミック素材の天板が、硬度、対汚性においてもっとも強度が高いです。

クオーツは硬度が最も優れており、セラミックも製品を選べばクオーツと同等の硬度を持つものがあります。

硬度で選ぶならクオーツ。耐熱性能まで考慮するのであれば、セラミックがおすすめです。

次点でステンレスとなっており、耐汚性は最も優れています。耐汚性で選ぶならステンレスがおすすめ。


具体的な内容を見ていきましょう。

メーカー品と同コストで実現できる、建築士自邸のオーダーキッチンの事例はこちら▼

比較対象とする天板素材

比較対象は一般住宅で採用されることの多い、下記6種類の天板素材を比較します。

メラミン化粧板

メラミン化粧板とは、メラミン樹脂というプラスチック性樹脂を含浸させた紙素材を、何層も重ねて高圧成形した化粧板です。デザインの豊富さが特徴です。

FUN×KITCHEN ミラミンワークトップ

出典;FUN×kitchen 公式ホームページ

タイル

タイルの数だけデザインに幅があるので、種類は最も多く、壁のタイルとデザインを合わせられるのが特徴ですが、大判を使用しても目地が必ず出ます。

近年ではDIYでタイル天板を採用する事例が増えてきています。


種類は吸水率の低い磁気質タイルを前提として比較します。

ステンレス

鉄にクロムやニッケルを含ませて、錆びにくくしているのが特徴です。

一般家庭用のステンレス天板にはSUS304、もしくはSUS430が使われます。


この2つの違いはクロム・ニッケルの含有量の違いで、含有量の多いSUS304の方がより錆に強く、高価となっています。この記事ではSUS304を比較対象とします。

TOYO KITCHEN ステンレスワークトップ

出典;TOYO KITCHEN 公式ホームページ

人工大理石

天然大理石の弱点である耐水性、耐薬品性を克服するために、樹脂を主成分として合成、成形したもので完全な人工素材です。

また、天然物質とセメントを合成した人造大理石とは異なります。


使用する樹脂の種類によって、ポリエステル系、アクリル系、メタクリル系と種類がありますが、この記事では耐久性・耐汚性について総合的に性能の高い、メタクリル樹脂系人工大理石について取り扱います。

CORIAN 公式画像

出典:CORIAN® 公式ホームページ

セラミック

キッチン天板用のセラミックは1200℃を超える高熱でプレス成形された素材です。

独特の風合が特徴で、特に耐熱性の高さを売りとしています。

セラミック天板 リシェルSI LIXIL

出典;LIXIL公式ホームページ リシェルSI

クオーツ

別名「エンジニアドストーン」と呼ばれるクオーツは、天然水晶を樹脂をつなぎにして成形された高級人造石です。

天然石の透明感・風合いを持ちながら、天然素材の弱点となっている物性を克服した素材です。

キッチン天板における強度とは?

キッチン天板の強度・耐久性は、天板自体の素材の物性という観点で見ると下記の5つの指標によって評価できます。

中でも硬度におけるすり傷のつきやすさと、耐汚性の指標の優先度を高くします。

なぜなら、日常的にものが擦れたり、調味料をこぼすことは頻繁に起こりえます。

対して熱い鍋を天板に置くことや、塩素やアルカリ系の液剤をワークトップ上で使用することは各素材推奨されていなく、日常的に頻発することはないため。

耐光性についてもひと昔と違い、現在販売されている各素材は性能が高く、一般環境下で数十年使用する分にはそう変化はありません。

  • 硬度
  • ★耐汚性
  • 耐熱性
  • 耐薬性
  • 耐光性

硬度とは?

硬度を表す指標には「引張強さ」や「曲げ強さ」「アイゾット衝撃値」等複数ありますが、日常的な擦り傷のつきやすさを、比較するのに適した「モース硬度」を採用します。

モース硬度とは?

モース硬度とは物質の相対的な硬さを数値化したもの。
1〜10までの値があり、数字が大きければ大きいほど硬い素材ということを表しており、1と2よりも9と10の方がその差が大きいとされています。

相対的といいましたが、簡単に説明すると素材A[モース硬度8]と素材B[モース硬度4]を互いに擦り合わせたときに、素材Bよりもモース硬度が大きい素材Aには傷はつきませんが、素材Aよりもモース硬度が小さい素材Bには傷がつきます。

参考に、地球上で最も硬いと言われているダイアモンドはモース硬度10です。

一般的な包丁で5.5、ガラスで5、人間の爪で2.5ですので、単純にこれらの数値よりも高いモース硬度を持つ天板素材であれば、包丁やガラスコップによる単純な擦り傷はつきにくいということになります。

耐汚性とは?

耐汚性は、ざまざまな液体や汚れの「浸透のしにくさ」「付着しにくさ」、「汚れを落とす容易さ」を表しています。

単純に浸透しにくければ、拭き落とすのも簡単なので吸水率を指標に見ていきます。

吸水率

主に水が常温下で24時間接触している状況下での吸水の割合を値として示しています。

天板素材の物性比較

下記一覧が各素材ごとの比較表です。

それぞれに特徴が出ていますので個別に見てみましょう。

[評価]メラミン化粧合板は、硬度・吸水性に心配あり

メラミン化粧板の硬度は一般に2Hの鉛筆程度となっています。ガラスや刃物では傷がつきやすいので注意が必要な硬度です。

吸水率は公表されている値がないので吸水膨張率を記載していますが、芯は繊維材ですので、水や湿気を吸水して材自体が膨張する割合が示されていることから、飛び抜けて吸水しないということはなさそうです。

[評価]タイルは、目地部の性能に難あり

主に内装用のタイルにでみると概ね硬度が高い傾向にあります。

吸水率には商品ごとの差が大きいため、採用する際には個別に吸水率を確かめることをおすすめします。

また、タイルだとどうしても目地が出るため、目地材の耐汚性という意味では吸水性・清掃性ともに良くないです。

[評価]ステンレスは、硬度は高くないが汚れに対しては優れている

ステンレスはものとしての硬さはあまりありません。ガラスや刃物では傷がつくこともありえます。

良く強度が高いといわれるのは傷がついても目立ちにくい表面仕上げになっていること、耐熱性能が高いことと混同されています。

耐汚性は吸水しない素材ですので特筆すべきものがあります。

[評価]人工大理石は、硬度は高くないがバランスには優れている


表面硬度は必ずしも硬いものではないので、長年使っていると細かい傷が蓄積されていく可能性があります。

研磨、埋木など補修方法が豊富で、傷に対する弱さをメンテナンスでカバーできると考えることも可能です。

耐汚性は他の高級素材に引けをとりません。

[評価]セラミックは、高硬度・高耐汚・高耐熱の三拍子

硬度は高く、製品を選べばクオーツと同等の高度のものもあります。また独特の風合いから傷が目立ちにくいのも特徴です。

耐汚性も良好で、表には示していませんが耐熱性能まで考慮するのであれば選択肢として最も有力な素材です。

[評価]クオーツは、硬度において最も優れる

高い硬度が特徴で、引っ掻き傷には最も優れた耐性を持っています。

耐汚染性も優れているので、硬さ重視で選ぶのであればクオーツを選べば間違いがないでしょう。

【まとめ】

日常使いの耐久性である硬度、耐汚性の観点から比較した場合、クオーツとセラミック天板がもっとも優れていることがわかりました。

硬さならクオーツ、耐熱まで考慮するならセラミックという選び方がおすすめです。

次点のステンレスは傷が目立ちにくい表面処理のものを選択するのが望ましいです。

「傷は気にしない、汚れのお掃除が簡単な方が良い」という人にはおすすめ。

ちなみに我が家ではクオーツ天板を採用しました。コストは相応に他素材と比べ高くなりますが、費用を抑えて他素材と同じ値段で実現することも可能です。

傷つきにくいワークトップを選ぶことで、お手入れにかかる時間も節約できて、細かい傷にビクビクしながらお料理をする必要がなくなります。

立つとテンションが上がるような永く美観を保てるキッチンを検討してみませんか?

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