注文住宅の減額調整まとめ|後悔しない新築の減額ポイント解説【建築家ブログ】

コストダウン

コストオーバーに困っていませんか?
注文住宅において避けては通れない道である減額調整。

筆者も自邸の見積もりオーバーで、泣く泣く減額調整を経験しました。

ネットで調べても誰も教えてくれない。満足度を下げずに減額調整を進める方法をわが家の場合の金額含め、解説していきます。

この記事では

  • 見積もり大幅にオーバーして泣きたい。
  • 何とかして見積もりを予算内におさめたい…
  • コスパの高い減額項目が知りたい!

といった悩みに、
自邸で500万円予算オーバーの初回見積もりを乗り越えた、一級建築士の筆者がお答えしていきます。

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新築費用をおさえるための基本

建築コストのかかる土地を選ばない

土地選びの段階から、建築コストへの影響を考慮する必要があります。

敷地が防火地域・準防火地域の場合、法規定により敷地境界からの距離により、窓などの建具仕様を防火設備の仕様にする必要があります。その場合数十万単位でコストアップになります。

敷地の接する道路が幅員4メートルに満たない場合、大型の工事車両が入りらないため、解体工事や地盤改良工事、基礎大工工事における搬出入を小分けにしたり、搬出入回数を増やしたりと工事費増につながります。

また、地盤が悪い場合は地盤改良にかかるコストが増えることになります。敷地を選ぶ段階で土地の履歴や地域の以前の用途(田んぼや農地など)も調べておくことをおすすめします。


▼地盤改良の種類や、筆者自邸の地盤改良費用事例を公開しています。

▼土地探しに役立つ防災履歴チェックツールを下記記事で紹介しています。

間取りを正方形に近づける

建物の平面形状を正方形に近づけると、外壁周長さが減るので外壁工事、外部足場、内装工事などの項目で費用が抑えられます。

細かく見れば屋根の横樋長さや外壁材の角役物も減るため、減額効果としては規模によりますが数十万円程にはなります。

総2階建てにする

2階建て住宅の場合、1階と2階の平面が同じ大きさである総2階にすると費用が抑えられます。

理由としては、「上記の間取りを正方形に近づける」と同じ理屈で、建物は凹凸の少ない立方体に近づけば近づくほど、外壁面積を減らしたり、基礎面積をコンパクトにできたり、屋根面積や屋根工事に伴う防水工事の範囲が減りコストダウンにつながるためです。

水まわりを集約する

水まわりを集約すると配管長さが抑えられるためコストを抑えることが可能です。

2階に寝室がある場合トイレを1階とは別に設ける場合が多いと思います。この場合は1階の水周りと2階水まわりの位置関係を近く配置できると配管長さを減らすことができます。

窓を減らす

窓を減らすことで、窓費用に加え施工費、開口部の補強部材を減らすことでコストダウンにつながります。

また熱の出入りの多い開口部を減らすことは、家の断熱効果をあげる方向に働きます。


ただし、後記の筆者自邸の事例にも書いていますが、窓はある窓に対してカーテンやロールスクリーンで調整はできても、後から追加することは困難です。

住んでみて暗くて不便!といったことを無くすために、開口部を削減する際にはよく検討が必要です。

ドアを減らす

ドアを減らすことで1か所数万円する費用をおさえることができます。

部屋のすべてにドアが必要とは限りません。後から仕切りとしてのロールスクリーンなどで代用することも可能です。

音や光、視線、匂いが部屋間で行き来しても問題ない部屋同士であれば検討している価値があります。

ビニルクロスを普及品にする

内装材でおおきな面積を占める場合の多いビニルクロスでは、いわゆる「量産品」と呼ばれるものがあります。

メーカーや工務店の標準仕様では量産品ではなく、1000番台の品番が指定されている場合があり、これを普及品に見直すことでコスト減することが可能です。

普及品と1000番台クロスの違いは機能性クロスの種類の多さや色柄が多い点にあります。特にこだわりのない白いクロス壁面であれば変更を検討してみる価値はあります。

造作家具をやめる

造作家具は家に合わせてジャストサイズの家具を備え付けられるので非常に魅力的です。

しかし、コスト面からみると、メーカーや工務店の工事費とは別に、家具図面製作設計費・搬入費・施工費が材料費用とは別にかかるため、既製品と比べればかなり高額になります。

あとから模様替えしやすい既製品家具にして造作家具はこだわりのある最小限の箇所とすることで、費用を大幅に抑えられます。

工務店が安く仕入れられる既製品をつかう

メーカーや工務店によっては、付き合いのあるメーカーの既製品を多く仕入れることで、ビルダー価格で安く仕入れている可能性があります。

今選んでいる内装や設備などが同じような機能で、ビルダー価格で仕入れられる既製品に置き換えられるのであれば費用を抑えられる可能性があります。

施主支給・別途工事にする

最終手段としては、本工事に含まれる工事や部品を、別途工事にしたり、施主支給する方法があります。

別工事の項目は、本体工事と縁を切って進めやすい外構工事などが一般的に検討することが多いです。
外構工事であえば自分で相見積もりをとってより安い業者を探すことも可能です。


施主支給の場合であれば、エアコン、照明、衛生まわりの小物、鏡、表札、ポスト、インターフォンなど、ネットで購入したほうが安く、なおかつ工事業者に取り付けのみのお願いができるものを対象として検討するのをおすすめします。

注意点としては、施主支給品は工事業者の補償対象から外れることが一般的ですので、何か不具合が出た時には自己責任で修理が必要です。それを踏まえて自分で修理できるものに限定するという考えも大事になります。

いずれの方法も施工者によては工事内での調整が増えたり、既に仕入れの手配が済んでいたり、利益に影響するため対応の可否が分かれるため早めに相談してみることが大事です。

減額調整からコスト把握におすすめ書籍

建築知識 2014年6月号 全部画でわかる!今日からコストの達人|X-Knowledgeは家のあらゆる物が一体どれくらいの単価なのか網羅して説明した一冊です。

工務店やハウスメーカーに任していると、なんでこれがこんなに高いの?といった疑問を持つと思います。それらが本当に適切な価格か?確かめるには自分で勉強するしかありません。

家のコストに関わる物が徹底的にも網羅されているため、少し専門的な内容になりますが、家づくりにおけるコストコントロールを心配される方には、是非一読する価値のある書籍です。

妥協なしで安くする!注文住宅のコストダウン30メソッド かえる家づくりメソッドは、家づくりのコストダウンについて設計実務者の視点から本当に有効なコストダウン手法を集めた一冊です。

図面や図版で説明されているので初心者でもわかりやすく、そのコストダウン項目が及ぼす使い勝手上の影響についても詳しく言及しているので、「コストダウンしたのはいいけど使い勝手が悪くなった」なんてことが起きない工夫が詰まっています。

価格が500円とは思えないほど、設計実務者の経験とノウハウが詰まった「建主のためのコストダウン」を実現できるおすすめの一冊です。

建築家自邸の減額調整事例

わがやの初回見積もりは予算を500万オーバーでした。

設計士の筆者ですら。マジで心が折れました。

この金額の絶望感は一回経験するとわかりますが、我が家の減額調整への道のりはここからスタートしました。

大幅な減額案、小幅な増額調整、資金の補填を経て最終的な合意金額におちつきました。

一級建築士が建主目線で選ぶ、目的別おすすめ注文住宅の参考書籍はこちらの記事▼

あきらめたこと、あきらめなかったこと

減額調整をするなかで、優先度の順位からあきらめたこと、あきらめなかったことを整理しました。

あきらめたこと

  • 在来工法の浴室
  • 造作家具
  • スチール片持ち階段
  • 特殊建具

できたらいいなと思っていた在来工法の浴室から、憧れの造作家具にはじまり、設計者としてこだわった階段、流石に贅沢な建具の仕様は減額効果が大きいため却下となりました。

あきらめなかったこと

  • オーダーキッチンとカップボード
  • 外壁塗装
  • 内装仕上げのグレード

これらも減額効果としては大きい項目でしたが、上記の諦めたことと引き換えに残すようにしました。
毎日目につくもの家全体の印象を大きく左右する壁、絶対譲れないキッチンなどを優先的に残すことにしました。

日当たりの悪い部屋の改善方法はこちらの記事▼

新築住宅のおすすめ減額ポイント

見積もりオーバーの程度によりますが、我が家で最も減額効果が高かったのは、

  • 大型の住宅設備
  • 外装仕上げ
  • 造作家具
  • 階段仕様

うちの場合は上記の項目で8割くらいコストを削り切った感じです


もし、優先度の低いものが上記の項目の中にあるのであれば、一度金額を確認してみてもらうのが良いですね。

おすすめしない減額ポイント

お勧めできないなと自邸で感じた減額ポイントは主に、

  • 窓サッシを既製品サイズに変更
  • 窓中止

どれも減額に対して費用対効果が低く、窓は完全になくしてしまうと当然あとからつけることもできないし、思いの外暗くて使いにくい部屋になる可能性があります。

期待していたよりも全然安くならないのに加え、暗い部屋に後悔する可能性も。

これらを採用するのであれば、他のところで減額を考えることをおすすめします。

減額調整案 一覧

我が家のコストダウン案の一覧です。
実際に施工者さんに見積もってもらった減額効果も記載しています。

コストダウン案一覧

数量や工務店の仕入れ値により一概には言えないため、参考値としてください

「外装」コストダウン項目

O-1 アルミ雨樋をビニル雨樋に変更

見栄えを重視したアルミ縦樋、横樋を一般普及品であるビニルの縦樋に仕様変更します。
我が家の場合は道路側を覗いた3面の雨樋をすべて外壁と同色のビニル樋に変更しました。

建売などを得意としている工務店であれば、流通品であるビニル樋もかなり安く仕入れられるので、思ったよりも減額効果があります。

ALLアルミ樋を1本残してそれ以外全てビニル樋に変更で15万円の減額

O-2 外壁塗装を窯業系サイディングに変更

外壁仕上げを割り切ることができれば、かなりの減額効果が見込めます。
我が家で検討したのは、外壁塗装を高級グレードの窯業系サイディングに変更する案。

それでも軽く50万円程度は減額できるので、無地の窯業系サイディングでも構わなければもっと費用を抑えられるはず。

O-3 外壁ルーバーを壁に変更

外壁に採光と目隠しを兼ねたルーバーがある場合、外壁と同じ材にすることで減額できます。

「内装」コストダウン項目

I-1 玄関壁タイルをクロスに変更

内装のタイル壁は、簡単に減額できる項目のひとつです。
壁1面タイルの場合クロスに変更すると15万円程度の減額効果がありました。

その他にも施主支給で調達する方法もあります。

I-2 玄関床タイルを土間コンに変更

玄関タイルを土間コンクリートのたたき仕上げとする案です。10万円の減額効果が得られます。
内装が素材を活かしたシンプルなデザインの場合、うまく合わせることが可能です。

注意点としてはコンクリート素地の方が外部床用の磁器質系タイルよりも吸水率が高いので、汚れやすくなることは理解した上で採用しましょう。

I-3 スチール階段を木階段に変更

階段がオープン階段などでデザインに拘ったスチール階段などの場合、木製階段に変更することで驚くほど減額できる可能性があります。

我が家では、スチールで完全制作物の片持ち階段を、デザインがシンプルな規格物の木製階段の片側ささらを壁に埋め込むデザインに変更しました。うちの場合は30万円の減額効果でした。

「設備」コストダウン項目

M-1 エアコン6畳用2台を施主支給にする

簡単な減額方法として、工事で取り付け予定だったエアコンを施主支給や、あとから、電気屋さんで購入して取り付ける方法があります。

我が家の場合は、すぐに使う予定のなかった子供部屋と客室の2部屋分のエアコンを取りやめています。
また、家電やさんで購入したほうが安く購入できる場合が多いようです。

2台分の省略で15万円の減額です。

M-2 オール電化をやめる

オール電化設備をガス給湯などに変更する案。5万円の減額案。

我が家の場合はエコキュートを驚くべき仕入れ値で工務店さんが仕入れていたので、結果たいした減額にはならず却下しました。

条件によっては、地域のガス会社さんの企業努力でガスの敷設工事代が安かったりする場合もあるようなので、気になる場合は相談してみるのが良いと思います。

M-3 造作洗面台をメーカー品に変更

メーカー品の高級グレードを中級グレードへの変更した場合2万円の減額。

造作洗面台の鏡化粧棚をIKEAの組み立て式鏡収納ボックス(施主支給)に変更した場合は8万円の減額。

我が家では造作で進める場合とメーカー品とする場合の二種類を検討していました。最終的には造作洗面台をメーカー高級グレード品に変更で10万円程の減額をしています。

W-1 在来浴室をユニットバスに変更

在来工法のオリジナルな浴室を想定していたのですが、ユニットバスに変更した際の減額効果の大きさに驚きました。

金額で155万円の減額です。在来浴室1つでユニットバスが4つ設置できます…

結果、直ぐに採用決定。メーカーさんの企業努力が感じられた一件でした。

L-1〜13 各種照明数量調整、グレードダウン

我が家は照明設計を最初に照明メーカーに任せたのですが、数量が多いし、無駄(施主的に言えば)にグレードが高かったので、設計者として徹底的に査定しました。合計で37.5万円の減額です。

やはり人任せはダメですね。かなり余分なコストがかかっていたのがわかりました。

その他、造作家具用の店舗用の照明が結構高かったので仕様を調整しました。

「建具」コストダウン項目

D-1 玄関木製扉を既製品のアルミ扉に変更

木製の制作物の建具を当初見積もっていましたが、驚愕の金額だったので、YKKのシンプルなデザインの商品に変更しました。67万円の減額です。

建具一枚でこの減額効果はいかに元が高かったかを物語っています。(とても素敵なデザインだったのですが…)

D-2 WICの窓中止

ウォークインクローゼットの中の小窓を中止しました。2.2万円の減額です。
あったほうが良かったかもと少し後悔してます。

ちょっと服を取り出すのに毎回照明を付けないと見えないのは、結構面倒くさいです。

D-3 小窓2箇所中止

倉庫の小窓を2箇所中止しました。1.9万円の減額です。
ほとんど開けることがない部屋ですので、換気だけ気にならなければ無くてよかったと思います。

D-4 引き違い窓サイズ変更

いわゆるメーカーの窓サッシは規格サイズがあり、そこから少しでも大きさが異なると制作扱いということになります。

ただし、蓋を開けてみれば大した金額ではないので、自分の間取りにあった窓サイズで良いのではと思います。1箇所で0.6万円の減額でした。

D-5 内部建具 仕様変更

内部建具を框なしで金具が隠れるタイプを選んでいましたが、トイレや倉庫などの目立たない部屋は、工務店さんの付き合いがあるパナソニックのシンプルなデザインの普及品に変更しました。これで2.2万円の減額です。

D-6 洗面所建具の表示錠中止

洗面所の扉に表示錠が何故か入っていたので中止しました。0.9万円の減額です。
意外と高いです。

D-7 収納建具の仕様変更

框なしの金具が隠れるKAMIYA製の4枚折れ戸にしていましたが、4枚折れ戸だけ金額が飛び抜けて高かったのです。
これもパナソニック製のシンプルな4枚折れ戸に変更しました。8.9万円の減額になりました。

「造作家具」コストダウン項目

F-1 TVボード中止

ここからは造作家具の減額です。合計で51万円ほど減額しました。

造作家具は家具自体の材料費以外にも、職人さんの工賃や設計費、搬入費が別途かかるのでやはりかなり割高になりました。

TVボードは設置場所が特殊でないので、後から家具で購入することに。

F-2 寝室造作机を大工工事に変更

引き出しなどをつけていた寝室の造作机は、大工さんがつくれる天板だけに仕様を変更。
引き出しは必要であれば後からキャスター付きの引き出しを購入することに。

F-3 ダイニング収納家具をオープン可動棚に変更

ダイニングに設置予定だった扉付きの造作棚は、オープン可動棚として大工さんにつくってもらうことにしました。

オープン棚とすることで見せる収納へ路線変更した形です。

F-4 玄関収納を造作から既製品へ変更

玄関収納も造作で予定していましたが、KAMIYA製の既製品でデザインがシンプルでかっこいい取り付け収納家具があったので、そちらを2台購入し代わりとしました。

「外構」コストダウン項目

E-1 外構コンクリート舗装範囲を削減

外構のコンクリートたたき仕上げの範囲を半分ほどに減らし、砂利敷き+防草シートに変更した場合の減額案です。28m2で14万円の減額です。

範囲が広ければ広いほど減額効果も高くなります。

E-2 外構植栽

外構の植栽は数本しか計画していませんでしたが、掃除手間削減を兼ねて本数を減らしました。たかだか1本2万円の減額です。

E-3 受電ポール

当初電線が家の外壁に長くたれ下がるのを嫌って、地中引き込み用のポールを見込んでいましたが、、実際は電柱からの距離も近いし、機能的には省けるものだったので、迷わずコストカットの対象になりました。36万円の減額です。

まとめ:コストダウンはメリハリをつける

我が家のコストダウン項目をまとめてみました。

実際には工務店やその他施工者によって削減コストの単価は違ってきますが、減額規模と項目の参考にしていただければと思います。

心痛む減額検討も一種のゲームのようなものだと割り切って、頑張って乗り切れば夢の新生活がまってます。がんばりましょう。

一級建築士が建主目線で選ぶ、目的別おすすめ注文住宅の参考書籍はこちらの記事▼

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